【留学準備番外編】犬と一緒にアメリカへ行くする方法

ペットを飼っている人が留学する機会は少ないかもしれませんが、私は犬を連れてアメリカ本土と何度か行き来した経験があります。犬を連れてアメリカに行く方法、そして日本に帰ってくる方法を説明します。ペットと旅行する人にも役立つ情報だと思いますので、今回は一部、「留学」を「旅行」と表現しています。

我が家の犬のスペック

犬種:少し大きめのトイプードル
性別:オス(去勢済)
年齢:留学開始時3歳、現在7歳
健康状態:良好

知っておくべき3つの規則

アメリカまで犬と旅行するときに、3つの関門があります。一つ目は「アメリカの規制」二つ目は「日本の規制」そして、三つ目は「航空会社の規制」です。入国時と帰国時に別の規則があります。なお、アメリカでも「ハワイ」は別の規制になっています。この記事はアメリカ本土を対象としています。

①アメリカ側の規則

アメリカのCDCUSDAが管轄していて、それぞれにガイドラインがありますが、簡単に書くと、日本は狂犬病発症がない国なので、特に何もしていなくてもアメリカ入国可能です。出国も、日本の規則に従うようにとされています。

②日本側の規則

アメリカ本土は狂犬病がまだありますが、日本にはないので、日本はアメリカから来る犬に対して、かなり厳しい規制を課しています。

アメリカ本土から日本に犬を連れて帰ってくるためには、出国時から「帰国を見越して」準備しておく必要があります。

③航空会社の規則

日本の航空会社とアメリカの航空会社で全く違います。

アメリカの航空会社:シート下に入る大きさの犬であれば機内持ち込み可能。追加料金要。入らない大きさの犬は貨物便で輸送。

日本の航空会社:機内持ち込みは不可。貨物室に預けることになります。健康診断書要。片道4万円または400米ドル。

我が家の愛犬はシートの下に入る大きさではないので、犬と旅行するときには必ず日系航空会社を利用しています。

犬をアメリカに連れていく時に実際に準備すること

数が多いのですが、一つ一つ確実にしていきましょう。一つでも抜けていると愛犬とアメリカに行けなくなるか、帰国時に動物検疫所で180日間係留されます。

以下の手順は2年以内に日本に犬を連れて帰国するときの、出国前に行っておくべき手続きです。(2年以上アメリカで飼う際は、アメリカで狂犬病抗体価測定が必要です。)

①マイクロチップの埋め込み
②狂犬病予防接種 (1回目)(同日可)
③30日以上経ってから狂犬病予防接種 (2回目)
④狂犬病抗体価測定(同日可) 狂犬病抗体価は2年間有効です。
⑤事前にNACCSで輸出検疫の申し込み。アメリカ滞在が40日以内であれば、輸入検疫の申し込みも。
⑥出国前に動物病院で健康診断。英文で健康診断書を書いてもらう。予防接種歴も記入してもらいましょう。狂犬病など予防接種の証明書には、裏にサインしてもらう。←絶対に忘れないように。サインがないと、出国時の輸出検疫証明書に予防接種歴を記載してもらえません。
⑦搭乗する飛行機にペットを預け入れたい旨を、航空会社に連絡する。クレートの大きさと、ペット込みの重さを聞かれますので調べておきましょう。(航空券を予約したら早めに申し込んでおきましょう。)

飛行機は直行便を予約してください。他国の経由便だと追加の証明や検査が必要となることがあります。

アメリカにいる間の注意点

かかりつけの動物病院を見つけましょう。帰国時の書類作成をしてもらわなくてはならないので、それに対応した動物病院がいいと思います。

狂犬病予防接種の有効期限に注意。1日でも空白期間が生じると、前のところで述べた①~④を再度行って、かつ180日間待機しなくてはいけません。

レプトスピラの予防も必要です。混合ワクチンにレプトスピラのワクチンに入っているかどうか確認して、入っていなければ接種するようにしてください。

アメリカの人たちは本当にドッグフレンドリー。NYのセントラルパークにもいたるところにドッグランがあります。

日本への帰国が決まったら

日本への帰国日が決まったら、またやらねばならないことが多数あります。すべて揃っていないと日本の検疫で180日間係留されます。

①NACCSで帰国時検疫を申し込む。(40日前には申し込んでおく)
②予約した航空会社に犬の輸送を予約する。
③動物病院に連絡して、輸出検疫目的での診察予約をする。
Form ACに必要事項を記入する。Rabies vaccine(狂犬病ワクチン)が継続的に接種されていて、Serological test(抗体価)が0.5以上あればOK。
⑤出発10日程度前に出国前診察を受けて、”Clinical inspection by veterinarian”のところに記入してもらう。
⑥USDA APHISで”Endorsement by official government veterinarian”のところに証明をもらう。おそらく書類審査のみ。私のかかりつけでは動物病院側がUSDA APHISに書類を送って、返送されてきたら動物病院まで受け取りに行きます。出国直前は日程がタイトです。

飛行機は直行便を予約してください。他国の経由便だと追加の証明や検査が必要となることがあります。

さあ、実際に準備しましょう

NACCSで出国時検疫の申し込み

初めて利用する方は、まず利用登録をします。「利用申し込み」をクリックして、メールアドレス、パスワードを入力。

メールにユーザーIDが送信されるのを確認して、利用者登録画面へをクリックします。

次に、氏名・住所・電話番号などを入力していき、登録を完了します。

登録が完了したら、今度は「利用開始」をクリック。(画像は重要なところのみ抜粋していきます。)

犬の欄を開く。新規に輸出検査申請を行うをクリック。

申請者情報等を記入していきます。

申請者氏名、住所、動物は犬を選択、用途はペット。

仕向国は、検索ボタンをクリックすると次のような画面になります。

仕向国にアメリカ合衆国と入力して検索をクリックすると、結果一覧にアメリカがでてくるので、ラジオボタンで選択して、入力をクリックします。

同じことを搭載空港、検査希望動物検疫所でも行います。検索をクリックして、成田空港であれば「成田」と記入して検索すると、いくつか成田がでてきます。旅客機に受託手荷物として預けるので、JALなら「成田空港2PTB」を選択。

検査希望動物検疫所も、検索をクリックして、成田空港であれば「成田」と記入して検索すると、いくつか成田がでてきます。JALであれば成田支所旅具検疫第2課を選択します。

輸送形態は「携行品」、AWB番号は空欄でOK。予約した便名と出発日を記入します。

次は荷送人、荷受人の情報を記入します。両方とも申請者と同じにチェックしてOK。アメリカに住所があれば、荷受人にアメリカの住所を記載しても構いません。

右下の次へをクリック。次は動物の情報を記入します。

愛犬の名前はアルファベットで記入してください。(健康診断書の内容と相違のないように。)

品種のところは、空港検索同様、まず検索をクリックして、品種名などを入れて入力します。

次にマイクロチップの番号や狂犬病予防接種の記録などを記載します。

続いて、狂犬病抗体検査の情報を入力します。検査日と、抗体価の情報を入れます。

抗体検査機関名称については、品種と同様に、検索をクリックすると下の様な画面に行きます。

国名から日本を選択して、検査機関名を選択します。日本は一つしかありませんので迷うことはありません。

次は予防接種の記録です。

接種年月日と有効期限を入力します。予防液の種類は、検索をクリックすると下のような画面に行きます。予防液の種類(5種混合など)や、予防する病気の種類(ボルデテラなど)を入力します。

検索をクリックすると予防液の種類がダーッとでてきますので、選択します。

次のページは日本に帰ってくるかどうかを問うページです。

「再入国をする」にチェック。マイクロチップや狂犬病予防接種、抗体検査はやっているのでチェックしてもいいですが、アメリカのルールでは、日本から連れていく場合はなしでもOKです。

ここに書いてあるように、出国までにマイクロチップを入れて、2回の狂犬病予防接種を受けて、抗体検査も済んでいれば、180日の係留は免除されます。

右下の申請を押したら完了です。

担当者とメールのやりとりをして、訪問日時などを確認しましょう。検疫所はわかりにくいところあるので、行き方を確認しておきましょう。

渡航前健康診断

かかりつけの動物病院で健康診断を受けましょう。英文で健康状態について記載してもらいましょう。狂犬病そのほかの予防接種歴についての証明書も英文でもらっておくか、予防接種の証明書の裏にサインしてもらいましょう。検疫所で最終的に発行される書類の予防接種欄が無効になってしまいます。狂犬病の予防接種歴を証明できないと、場合によっては、帰国時に180日間の係留が必要になるかもしれません。

また、輸出検疫証明書は、アメリカの動物病院でも予防接種証明書として使用できるので、非常に重宝します。

いざ出国

愛犬を連れて空港へ行きます。

検疫所に行き、簡単な検査を受けます。輸出検疫証明書が発行され、クレートには検疫済のタグがつけられます。

この時は、5種混合などの予防接種の証明書の裏にサインがなかったため、「その他の予防接種」の欄が削除されてしまいました。読者の方々は忘れないように!

空港でチェックインして、料金4万円を支払います。健康診断書を見せて問題なければ預け入れることができます。愛犬とはここでお別れです。アメリカまでは長旅になります。クレートの中には水や食べ物を入れておきましょう。折りたたみ型のクレートの場合は、万が一はずれてつぶれないように、しっかり固定していてください。

私たちが愛犬と一緒に飛行機で旅行するとき利用しているクレートは、リッチェルの折りたたみ型クレートです。トイプードルですが、彼は大き目なのでMサイズです。飛行機での給水は、ペットボトルに対応したウォーターノズルが便利です。ドアのところに固定して、テープで補強しています。

アメリカ入国

ここではニューヨークJFK空港での方法を解説します。

愛犬は預入荷物を回収するターンテーブルのところに置かれています。荷物とともに回収して、ほかの到着客とともに税関へ向かいます。日本でもらった輸出検疫証明書などの書類を見せたらおしまいです。(日本と比べてめちゃ簡単です!)

日本への帰国が決まったらNACCSで輸入申請をしましょう

帰国日が決まったらNACCSで輸入申請をしましょう。40日以上前に申請するように勧められています。

出国時と同様に必要事項を記入していきます。

犬の欄を開く。新規輸入事前届出をクリック。

基本情報を入力していきます。犬・ペットを選択します。仕出国はアメリカを選択。

輸送情報を入力します。輸送形態は携行品を選択。

荷送/受人情報には、両方とも日本の住所を記載してください。←出国時とは異なる部分です。荷送人をアメリカの住所にしていたら、訂正を求められた経験あり。

動物情報も出国時と同じように記載していきます。出国時と違うのは、「検査申請をする」もクリックしてください。

申請が終わると登録したメールアドレスに申請受理のメールがきます。その後、担当者とやり取りがあります。

輸入検疫の用紙に証明をもらいましょう

動物検疫所から、Form ACのコピーを事前に送るように言われます。帰国10日前に動物病院に行き、健康診断を受けてください。”Endorsement by official government veterinarian”のところにはUSDA APHISの証明が必要です。私の場合は、動物病院がUSDAに郵送してくれています。全て整えば、コピーを動物検疫所にメールします。

これとは別に、健康であることの証明も必要です。健康診断書の作成もお願いしましょう。

いざアメリカ出国

愛犬をつれて空港へ行きます。

USDA APHISの証明が輸出検疫なので、アメリカでは直接カウンターへ向かってください。カウンターで$400支払い、荷物と共にクレートを預ければチェックインは終了です。JALの出発するJFK terminal1は、ペットを預けるスペースがターミナルの奥にあります。

行きと同様に、水、食べ物を忘れずに。折りたたみクレートは崩壊しないよう、補強しておきましょう。

日本到着してから

日本に到着すると、クレートはターンテーブルの部屋に運ばれてきます。愛犬を抱っこしたくなりますが、まだダメです。検疫が終わり、税関を通過するまでは出してはいけません。奥の動物検疫に向かいます。

動物検疫では書類のチェックと診察があります。クリアすると、クレートに検疫済のタグがつけられます。

税関を通過すると愛犬は晴れて自由の身です。思いきり褒めてあげてください。

↓ よろしければ応援お願いします。

ブログランキング・にほんブログ村へ

本ウェブサイトに掲載された情報に基づいてなされた判断を原因として発生したいかなるトラブル・損失・損害に対しても、筆者は責任を負いません

コメント

タイトルとURLをコピーしました