いよいよビザ面接です。何を聞かれることが多いか、何と答えれば面接官の印象がいいか、ビザを取得するための面接テクニックについて解説します。
ビザ面接に必要な書類
補足資料について説明します。
アメリカは不法就労と不法滞在に厳しい国です。面接官を納得させられるもの、それはズバリ「お金」です。アメリカで収入の見込みがない人は、残高の高い状態で銀行の残高証明書(英文)を出してもらって下さい。単身なら数百万円、家族が同行するなら、500万円以上が望ましいように思います。私は600万円の証明書を作りました。(ここから家賃の1年前払いして、一瞬でほとんどなくなりましたが・・・)
ちなみに、同行家族は労働許可申請をすることができますが、「働くから貯蓄少なくても大丈夫!」とは思わないほうがいいです。アメリカで労働許可を申請するときに「お金が足りないから…」という理由はまず却下されるそうです。審査官からすると「じゃあ日本に帰れよ!」となるからです。
学生の人で留学費用を両親等に支払ってもらう人は両親等の収入証明(英文)や預金残高証明が必要です。家族関係を証明する書類も作りましょう。学位の証明、資格の証明など、自分のスキルを証明する書類も用意してください。
補足書類の要件として、ビザ申請の説明には「本国に財務的、社会的、家族的な強いつながりがあり、米国での留学プログラムの終了後に確実に帰国することを示す書類」とされています。「往復航空券」はその意思を証明する有用な資料です。
これらの書類を下の図のように並べて面接に持参します。
古いパスポートは入口で確認されるのみです。
米国大使館/総領事館へ
私は東京でも大阪でも申請したことがありますが、大阪の例で説明します。ちなみに東京もほぼ同じです。(主な違いは、大阪はフロアがいくつかに分かれているが、東京は1フロア、大阪には待合がないが、東京にはある。)
大阪のアメリカ総領事館は大阪駅から徒歩15分ほどの所にあります。キタの繁華街、北新地の道向かいです。大学卒業後、大阪で勤務した経験のある私としては、すごく懐かしい場所です。いつも特型警備車が並んで物々しく思っていた建物に入れる機会が、こんなところで訪れるとは!
25cm以上のカバンを持って領事館に入ることはできません。持ち込みが許可されるのは、小さなカバン、申請書類と携帯電話1つのみです。いらないものはコインロッカー(領事館内にはありません。)に預けます。以前は携帯電話は入口で預けなくてはなりませんでしたが、最近は持って入れます。本は持ち込み可能ですが、大阪の領事館には座って面接を待つ時間・場所はありません。
予約時間の15分前を目標に現地に向かいます。するともう列が…
でも安心して下さい。予約時間になると、「○○分の予約の人はこちらへどうぞ」と案内されます。早く並んでもあまりメリットはありません。
セキュリティーゲートを抜けたら、予約確認票とパスポートチェックがあります。
次は3Fへ。カウンターで書類のチェックを受けます。写真の品質チェックも受けます。規定に満たない場合は、同じフロアに証明写真機(1000円)がありますので安心して下さい。ここまでは日本語でOKです。
2Fへ案内され、いよいよ面接です。入って左側に子ども用のプレイエリアがありました。子連れにも安心です。面接のカウンターはその奥です。
東京だと何台も面接カウンターがあって、手前に椅子があるのですが、大阪には椅子はありません。カウンターも4台程度です。
奥に列があり、並びます。大阪はフロアが狭いので、面接官とのやり取りが並んでいても聞こえてきます。日本語のみで面接している人もいました。10分以上かかる人と、数分で済む人といます。
個人的な印象ですが、受け入れ先、または受け入れ先で何をするのかがはっきりしていない場合に時間がかかる場合が多いようでした。もちろん、すべての申請者は受け入れ書類を持参しているはずですが、そこには「どんなことをするのか」ということが詳細に記載されている訳ではありません。ビザ申請者は「○○をすることで、××に貢献します。」ということが明確に伝えられなければなりません。うまく伝えられない場合は留学の場合は受け入れ先責任者の手紙を添付すると良いかもしれません。
いざ面接へ
待つこと約20分、私の面接の番になりました。
- 「どこに留学するのか」
- 「なにを研究するのか」
- 「Ph.D.かM.D.はもっているか」
- 「給料はでるのか?でるならどこから?」
- 「留学期間は何年か」
以上の質問を受けました。承認された場合はその場で結果が伝えられます。
“Your visa was approved.” (あなたのビザは承認されました)
面接に成功するための心構え
#まずは笑顔できちんと挨拶しましょう。Sir, ma’amを使えるとポイントが高いです。
#もし面接官が”How are you?”や”Yourself?”と返してきたら、きちんと返答しましょう。
この、”Thank you for asking”は極めて丁寧です。高級ホテルのホテルマンがお客さん”How are you?”と聞かれて返事するイメージ。
続けて、申請書をもとに色々な質問がありますが、留学の場合は、”Where will you study?”, “What will you study?”, “How long are you planning to study in the US?”, “What’s your plan after this program?”, “Who will pay for your salary?”などが一般です。
まず、
Where will you study?
と簡潔に答えましょう。DS-2019やI-20の内容と相違なければ、特に問題ありません。同じ時期に面接していた人が、I-20と内容が違ったようで、受け入れ先からのレターを持ってくるように言われていました。
多くの場合、何を勉強するか聞かれます。
What will you study?
科学系プログラムでの留学であれば、留学先がどういうことを専門に研究しているのか、または自分のプロジェクトがどのようなものか簡潔に説明しましょう。
私のような研究者がJビザで留学する場合は、米国滞在目的がはっきりしているし、もともとあるスキルを使って社会に貢献するので、英語が不得意でも面接官を納得させやすいと思います。
学生として留学する人の場合は「留学先の特色は何か、アメリカで何を勉強して、どのようなことに生かしていきたい/貢献したいか」ということを英語で説明しましょう。
次に留学期間について聞かれた場合、
How long are you planning to study in the US?
期間は特に決まっていなくても、断定して答えましょう。「何年いるか分からない」だと「不法滞在の恐れあり」とみられ、質問が厳しくなります。
次に留学後の計画について聞かれたら、
What’s your plan after this program?
JビザやFビザは非移民ビザですから、日本に帰ることが前提です。もちろん、留学中にスカウトされて企業に引き抜かれる人、業績を上げてHビザやグリーンカードを取得する人、アメリカ人と結婚する人などいます。申請者がいろんな将来を描いていることは承知していますが、この場は日本に帰ってくることを強調してください。ビザのステータス変更はいつでも可能です。
お金に関する質問をされた場合、例えば、
Who will pay for your salary?
“I got a grant from XXX.”
“My parents will support me.”
DS-2019やI-20にはfinancial planも書かれているはずなので、相違がないように答えましょう。収入がないのに留学する場合はお金の出どころを証明する必要があるので、預金証明書は確実につけておきましょう。
実際の面接ではほとんど何も聞かれなかった人も多いようですが、アメリカで重要視される、自己アピールの場だと思って頑張りましょう。
面接後
面接官との面接が終わればそこで終了です。家族分もビザ申請する場合も、面接は一人で十分なので、夫婦のうち一人は子供と一緒にプレイルームで遊んでいて大丈夫です。家族皆でビザ更新に訪れた時は、妻は「顔だけ見せて」と言われました。(配偶者が労働許可申請をしている場合はもう少し聞かれるかもしれません。)
書類は一旦全部回収されて、後日ビザが添付されたパスポートとともに返却されます。
パスポートは意外と早く、約4日で返送されてきました。
ちなみに、ビザの有効な期間中、ESTAは必要ありません。
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